診療における血液マーカーの役割には,1.診断補助 2.疾患活動性・重症度評価 3.治療反応性のモニタリン グ 4.予後の推定などがある.サルコイドーシス(サ症) の血液マーカーとして代表的なものに血清ACE値,可溶 性IL-2レセプター(soluble IL-2 receptor; sIL-2R)があり, 2015年の改訂診断基準では両者とも臨床診断基準項目に 含まれている1) . 血液マーカーの診断的有用性は鑑別の対象となる疾患 によって異なり,その至適カットオフ値や精度は鑑別の対 象となる疾患によって異なる (Figure 1) .したがって,サ 症のバイオマーカーの診断的有用性を評価するには,どの ような状況でどの疾患が鑑別の対象となるかを判断し,鑑 別の対象となる疾患におけるマーカーの挙動を確認する 必要がある. 本稿では,日常診療で測定されることが多い血清ACE とsIL-2Rに焦点を当て,サ症,病勢評価,予後予測におけ るこれらの血液マーカーの有用性について概説する.
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Handa, T., & Nagai, S. (2016). Clinical Utility and Problems of Blood Biomarkers in Patientswith Sarcoidosis. The Japanese Journal of Sarcoidosis and Other Granulomatous Disorders, 36(1_2), 53–58. https://doi.org/10.7878/jjsogd.36.1_2_53
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