Abstract
結核病棟を有していないA病院における肺結核患者の受診の遅れ、診断の遅れの実態とその関連要因について明らかにした。データトライアンギュレーションを用いた症例集積研究を行った。2010年7月から2011年9月までに、A病院で肺結核と診断された7名の患者(男性6名・女性1名)と診断を担当した4名の医師を対象とした。肺結核の症状出現から診断までの経過について、診療記録ならびに対象患者と対象患者を診断した医師との半構造化面接から、情報収集を行った。診療記録から収集した情報では患者の受診の遅れは明らかにならなかったが、面接の分析結果では7名のうち6名に数ヵ月から数年にわたる受診の遅れが認められた。肺結核の診断は比較的早期にされており、診断の遅れは明らかにならなかった。受診の遅れに関連した要因として、【受診にはつながらなかった症状】【健康診断結果通知の遅れ】【結核に対する知識不足】【健康診断での異常の指摘後のフォロー不足】が明らかになった。【受診にはつながらなかった症状】には、肺結核の典型的な症状に加え、微熱、食欲不振、疲労のような肺結核特有ではない一般的な症状が含まれた。特に、高齢者では加齢によるものとしてそれらの症状が見落される傾向が明らかになった。患者の受診の遅れを短くするために、微熱、食欲不振、疲労のような一般的な症状が持続、悪化した時には、医療機関を受診するように教育する必要がある。また、診断の遅れを短縮するためには、医師の肺結核に対する意識や知識が関連しており、呼吸器内科医の診察や胸部レントゲン写真の読影医によるダブルチェックなどの診療体制の整備と過去履歴の管理が重要である。(著者抄録)
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AOYAMA, E., & MISAO, H. (2014). Factors Associated With Delays in the Detection of Pulmonary Tuberculosis. Japanese Journal of Infection Prevention and Control, 29(6), 453–462. https://doi.org/10.4058/jsei.29.453
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