Abstract
Additive Manufacturing(AM)技術の一つである金属積層 造形は,医療分野では早くからインプラントの製造に利用さ れてきた.これは,本技術が従来の加工法では不可能な三次 元複雑形状品の製造が可能で,ラティス構造といった軽量化 や種々の機能を付与できる技術であることによる.とりわけ インプラントには個人個人にあった形状が必須であるため, 本技術は有効な加工手段として利用されている. 最近では,装置や粉末の性能向上により高品質の製品の製 造が可能となってきており,航空宇宙分野において大きな動 きが出てきている.特に,GE 社はジェットエンジンの噴射 ノズルを手始めにタービンブレードへの適用も視野に入れて いる.2016年には,電子ビーム積層造形装置の唯一のメー カーである ARCAM 社とレーザ積層造形装置メーカーであ る Concept Laser 社を買収して新たな装置開発に着手してお り,2017年には本技術をベースとした新工場を新設した. また,工作機械の大手メーカーである DMG MORI 社は, パウダーベッド方式のレーザ積層造形装置メーカーである Realizer 社を子会社化して工作機械からいわゆる金属 3D プ リンタまでを揃えた装置メーカーとなった.さらに,自動車 メーカーも試作品への適用だけでなく,大量生産ではないが 部品への適用を始めてきており,Tier1 の部品メーカーも動 き出してきている. このように,本技術は従来の加工法では不可能な製品を製 造する重要な加工技術として認識されてきている. 本稿では,金属積層造形技術における装置開発や研究開発 動向について紹介するとともに,今後の可能性についても述 べる. . 金属積層造形技術の開発動向 積層造形技術の分類 まず,AM 技術の分類について紹介しておく.AM 技術 は,2009年に設置された ASTM F 42 委員会により,次の 7 つのカテゴリーに分類された.図に各種積層造形技術の概 要を示す.なお,詳細な説明は成書 (1) を参照願いたい. 結合剤噴射(バインダジェッティング), 材料噴射(マ テリアルジェッティング), 粉末床溶融(パウダーベッド), 指向性エネルギー堆積(デポジション), シート積層, 光重合硬化(光造形), 材料押出し(熱溶融積層) これらのうち,金属積層造形に用いられるのは,主に粉末 床溶融(パウダーベッド)法と指向性エネルギー堆積(デポジ ション)法であるが,最近ではバインダジェティング法やマ テリアルジェティング法も利用されてきている. 装置開発の概要 パウダーベッド方式に関しては,最近の装置開発は高速 化・大型化の傾向がある.高速化・大型化に関しては,レー ザ出力 500 W あるいは 1 kW のファイバーレーザが搭載さ れてきており,複数台のファイバーレーザを搭載して高速化 を図ってきている.また,1 m サイズのレーザパウダーベッ ド方式の装置開発が行われている.技術研究組合次世代 3D 積層造形技術総合開発機構(以後,TRAFAM と記す)では, 電子ビームによるマルチマテリアルの造形が可能なパウダー ベッド方式の装置開発を行っており,今後の用途展開も広い ことから早期の開発が要望されている.Fraunnhofer 研究所 においては,レーザを光源とした従来装置を改良したマルチ マテリアルの造形が可能なパウダーベッド方式の装置開発が 行われている. デポジション方式の装置開発に関しても,高速化・大型化 が進んでいるとともに雰囲気制御可能な装置開発が行われて きている.高性能ノズルと制御用ソフトウェアの開発もあっ て,この方式としては複雑三次元形状で表面粗さにも優れる 装置開発が行われており,TRAFAM プロジェクトにおいて も高速・高精度の造形が可能な装置開発が進んでいる.我が 国の工作機械メーカーは,相次いでデポジションと切削との ハイブリッド化した装置を改良さらには開発している. 最近では,バインダジェッティング方式の装置が復活して
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Kyogoku, H. (2018). The Current Status and Development of Metal Additive Manufacturing Technology. Materia Japan, 57(4), 140–144. https://doi.org/10.2320/materia.57.140
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