青年期におけるアイデンティティの形成 : 関係性の観点からのとらえ直し

  • 杉村 和
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本論文は, 青年の身近な対人的文脈に焦点を当てて, そこでの他者との関係性の観点から, 青年期におけるアイデンティティの形成をとらえ直すことを目的とした。青年期のアイデンティティ形成や他のいくつかの研究領域について文献のレピューを行い, まず, 本論文が関係性を重視する背景を整理した。次に, アイデンテイティそのものについての考え方を, 関係性の観点からとらえ直した。このとらえ直しは, 以下の3つの側面に分けることができる。(a)自己と他者との関係のあり方がアイデンティティであるというパラダイムを持つ必要がある。(b)アイデンティティ形成は, 自己の視点に気づき, 他者の視点を内在化すると同時に, そこで生じる両者の視点の食い違いを和互調整によって解決するプロセスであるということができる。このことから, アイデンティティ形成の実際の作業である「探求」は, 人生の重要な選択を決定するために, 他者を考慮したり, 利用したり, 他者と交渉することにより問題解決していくことであると定義できる。(c)このブロセスの根底には, 青年期の社会的認知能力の発達が想定できる。さらに, 以上のとらえ直しに基づいて, このような関係性を重視するアプローチにおける今後の研究課題を提起した。

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杉村和美. (1998). 青年期におけるアイデンティティの形成 : 関係性の観点からのとらえ直し. 発達心理学研究, 9(1), 45–55. https://doi.org/10.11201/jjdp.9.45

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