Abstract
企業のプロモーション最適化に際して,顧客の自社への貢献の高さの指標としてのシェア・オブ・ウォレットを推定する場合,顧客の自社での購買だけでなく,競合他社での購買頻度を知る必要がある。本研究では,顧客のウェブでの活動の幅広さを測定することがシェア・オブ・ウォレットの推定精度を高めるのではないかという仮説から,新たな指標としての「アクセス・パターンの多様性」を提案する。 アクセスの時間帯や閲覧デバイスなど,アクセス・パターンの多様性として設定できる変数にはいくつか考えられるが,中でも今回はウェブ活動の多様性を測る指標としてリファラの多様性等を設定した。リファラとは,自社EC サイトに流入する際に経由したウェブサイトのことである。この指標によりどれほど多様なウェブサイトを閲覧しているかを測定することが可能であり, そのような多様なウェブサイトの閲覧が競合サイトへの流入へもつながる可能性が考えられる。 今回の報告では,EC サイト楽天とAmazon の 2 社を分析対象として,楽天が自社で得られるアクセス履歴と顧客情報に加えて顧客ごとの多様性を測定し,これらの情報を使用して競合サイトAmazon での購買頻度の高い自社顧客を発見することを目的とした。両サイトでそれぞれ 2 回以上購買している顧客を対象に購買間隔を算出し,ワイブル生存時間分析を用いて推定を行った ところ,推定では設定した多様性が高い説明力を持ち,多様性の情報を用いないモデルの場合に比べて推定精度が改善するという結果となった。 しかしながら,このモデルでは両サイトで 2 回以上購買している顧客以外を分析に含むことができない。そのため,二項ロジットモデルを用いてAmazon での購買の有無を判別し,さらに上記のモデルを適用するような形での改善が考えられる。また,Amazon と楽天以外の競合関係への適用可能性についても検証する必要がある。
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新美, & 星野崇宏. (2014). ユーザ別アクセス・パターン情報を用いた,競合サイトでの閲覧・購買行動の予測. 日本マーケティング・サイエンス学会. https://doi.org/10.11295/marketingscience.220101
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