目的 サルコペニアと悪性腫瘍の関係を理解することは、高齢化社会では避けられないことであり、ますます重要である。我々は、自己拡張型メタリックステントを挿入し根治手術を行った非転移性閉塞性大腸癌(OCRC)患者を対象に、サルコペニアの臨床的意義を検討した。 方法 ステント留置前に撮影された平断面CT画像をレトロスペクティブに解析した92例。筋量減少(myopenia)と筋質低下(myosteatosis)はそれぞれ骨格筋指数(SMI)と筋内脂肪組織量(IMAC)で評価した。 結果 本研究には男性54名、女性38名が参加し、年齢の中央値は70.5歳であった。SEMS装着から手術までの間隔の中央値は17日(範囲、5-47)であった。術後合併症は35例であった。術後在院日数の中央値は15.5日(範囲、8-77)であった。28例(41.3%)がSMI-lowに、31例(34.1%)がIMAC-highに分類された。多変量解析では、IMAC-high[ハザード比(HR)=7.68、95%信頼区間(CI)2.22-26.5、P=0.001]および右側腫瘍(HR=5.79、95%CI 1.36-24.7、P=0.018)は術後の合併症を予測する独立因子であった。IMAC高値(HR = 23.2, 95% CI 4.11-131, P < 0.001)およびmodified Glasgow prognostic score(mGPS)高値(HR = 5.85, 95% CI 1.22-28.1, P = 0.027)は感染性合併症の独立した予測因子であった。無再発生存率および全生存率は、SMIまたはIMACの状態にかかわらず、有意な差はなかった。 結論 IMACは術後合併症および感染性合併症と関連していた。骨粗鬆症は筋萎縮症よりも術後合併症の強い予測因子である可能性がある。
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Sato, R., Oikawa, M., Kakita, T., Okada, T., Abe, T., Yazawa, T., … Tsuchiya, T. (2022). Impact of Sarcopenia on Postoperative Complications in Obstructive Colorectal Cancer Patients Who Received Stenting as a Bridge to Curative Surgery. Journal of the Anus, Rectum and Colon, 6(1), 40–51. https://doi.org/10.23922/jarc.2021-057
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