Analysis of Stable Isotope Ratio for Discrimination of Origin of Ethanol

  • WASANO N
  • HATTORI R
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Abstract

1.はじめに 近年,事実と異なる産地や原材料を表示するなど食 品偽装事件が続発しており,お客様の「食の安全・安 心」への関心が増大している。食品偽装は,健康影響 の有無にかかわらずお客様の信頼を失墜させる重大な 事案であり,トレサビリティーを確保することは食品 産業界にとって重要なことである。そのため,食品の トレサビリティーを確保するために科学的根拠に基づ いた偽和判別技術が求められており,食品の起源判別 技術として多元素分析や DNA 分析と並んで軽元素安 定同位体比分析が注目されている。 軽元素安定同位体比は,起源植物の情報だけでなく, その生育環境などの情報も保存していることから食品 の起源推定技術として使用されており,例えば水素・ 酸素安定同位体比によるストレート果汁と濃縮還元果 汁の判別 1 ) , 2 ) や炭素安定同位体比による果汁,蜂蜜へ の糖添加判別 3 ) , 4 ) , 5 ) などが報告されている。また複数 の軽元素安定同位体比を組み合わせることによる産地 判別も検討されており,米や牛肉など様々な農畜産物 について報告 6 ) , 7 ) , 8 ) , 9 ) , 1 0 ) がある。さらに,欧州では炭 素・酸素安定同位体比のデータベースによるワインの 真性評価 11) など,酒類の起源推定技術としても広く 使用されている 12) , 13) , 14) , 15) , 16) 。ここでは,安定同位体 比分析を用いた酒類原料の起源推定技術について紹介 する。 2.酒類における安定同位体比について 有機化合物を構成する水素や炭素などの軽元素は複 数の安定同位体で構成されており,自然界においては ほぼ一定の比率で存在している(水素であれば 1 H が 99.986%,D が 0.015%, 炭 素 で あ れ ば 12 C が 98.892%, 13 C が 1.108%) 。一方で,実際には自然界で起こる物 理的・化学的変化の過程において,化合物の安定同位 体比は変化し,僅かに違いが生じている(同位体比分 別) 。 安定同位体比の値は,国際的に認証された標準物質 (水素,酸素には標準平均海水,炭素には米国南カロ ライナ州 Peedee 層ベレムナイト炭酸塩を用いる)を 元に算出され,次式に示した標準試料に対する同位体 比の千分率偏差δ(‰)で表される。 δX (‰) = [ ( R sample /R standard )-1] ×1000 (X=D, 13 C, 18 O など) なお,R sample は試料の同位体比(水素であれば D/H, 炭素であれば 13 C/ 12 C)を,R standard は標準物質におけ る同位体比を示している。 安定同位体比分析を用いた酒類原料の起 源推定技術について レストランなどで食材の誤表示問題が発生し,食品の表示に再び世間の注目が集まったのは記憶に新しい。 酒類についても原材料の適正表示は法令遵守の観点のみならず,商品に対する消費者の信頼性確保のために も重要な事項であり,酒類業者は自社が販売している製品の真正性を確保する必要がある。本稿では酒類の 必須成分であるエタノールの安定同位体を新たに開発した方法で分析した酒類原料の期限推定技術について 解説して頂いたので,参考にして頂きたい。 和 佐 野 成 亮 1 ・服 部 良 太 2

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WASANO, N., & HATTORI, R. (2014). Analysis of Stable Isotope Ratio for Discrimination of Origin of Ethanol. JOURNAL OF THE BREWING SOCIETY OF JAPAN, 109(4), 212–218. https://doi.org/10.6013/jbrewsocjapan.109.212

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