Abstract
音楽家の美しい音楽表現について考えるとき,また音楽を聴いているときに湧いてくる感情について考察するとき,心に抱くイメージの存在を強く意識する。心的イメージそのものは客観的に捉えにくい部分もあるが,感情を揺さぶる音楽の力は,豊かな心的イメージによるところが大きいと思われる。それでは,心的イメージと音楽表現をつかさどる脳内ネットワークはどのような特徴を持っているのであろうか。それを知るために,筆者はこれまで多数の音楽家・音大生の参加を得て,長期にわたる音楽トレーニングを受けてきた人の脳の研究をイメージング法を用いて行ってきた。本稿では,その成果をわかりやすく解説する。主な内容は,音楽家の脳の構造的特徴,機能的ネットワークの特徴,そしてイメージ演奏時の脳内ネットワークである。
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田中昌司. (2019). 音楽家の脳を視る(特集 科学と芸術の接点). 生体の科学 70巻6号 (2019年12月), 70(6), 495–499. https://doi.org/10.11477/mf.2425201086
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