舌は, 咀嚼から嚥下にかけての過程において, 巧緻な運動を行って食塊の形成と搬送に中心的な役割を果たし ている.その運動性を評価する上で, 舌と口蓋が接触することによって生じる舌圧は, 有効な指標となる.健常 者において一定のパターンを示す嚥下時の舌圧発現様相の崩れは, 嚥下障害の出現と関連している.また, 咀嚼 の進行に伴う嚥下前の口腔から中咽頭への食塊の輸送には,咀嚼サイクル毎の舌圧発現の増加が関与している. 舌圧や咀嚼能率を用いることによって,咀嚼・嚥下障害の程度を客観的に把握し,治療やリハビリテーション の合理化・能率化をはかることは,超高齢社会における歯科補綴治療のイノベーションに寄与すると思われる.
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Ono, T., Hori, K., Fujiwara, S., & Minagi, Y. (2016). What tongue pressure means in mastication and swallowing. Annals of Japan Prosthodontic Society, 8(1), 46–51. https://doi.org/10.2186/ajps.8.46
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