Abstract
群馬大学大学院医学系研究科公衆衛生学 要 旨 【背景・目的】 COVID─ 19 感染症は世界的なパンデミックの状況となった.日本でも 2020 年 1 月から 5 月にかけて大きな 感染拡大が見られた.中国では,感染率は地域によって大きな差があり,人口密度の高い地域ほど高いことが報告されて いる.本邦においても都道府県ごとの累積感染者数が大きく異なるものの,詳細な検討はない. 【対象と方法】 日本において初発患者が見られた 2020 年 1 月 16 日から多くの都道府県で流行がほぼ終息し始めた 2020 年 5 月 3 ─ 6 日までの約 110 日間における 47 都道府県における COVID ─ 19 に対する PCR 検査陽性者(累積感染者)の数を都 道府県人口で除した累積感染者の割合(累積感染割合)と人口集中度,人口密度,公共交通機関を用いて通勤・通学する 人の割合,人口当たりの乗用車保有台数の指標との相関を単・多変量解析を用いて検討した.さらに COVID ─ 19 感染者の うち,感染経路が不明な者,調査中など明らかな感染経路不明な感染者を感染経路不明割合としてそれぞれの因子との関 連を単・多変量にて解析した.さらに回帰直線の 95%信頼区間を超えて高い感染率を示す都道府県について検討をした. 【結 果】 単変量解析では都道府県別の累積感染割合とすべての因子は有意な相関を示した.多変量解析では累積感染割 合では人口密度が独立した因子として選択された.さらに感染経路不明割合とすべての因子は単変量解析で相関した.同 様に多変量解析では人口密度と公共交通機関を用いて通勤・通学する人の割合が独立した因子として選択された.回帰直 線の 95%信頼区間を超えて感染率の高い都道府県には石川,富山,福井県,高知県,東京都,北海道などが挙げられた. 【結 論】 COVID-19 累積感染割合は人口密度などの因子と強い相関を認め,ポストコロナの時代に向けて 「密集」 , 「密接」 を回避するライフスタイルの導入が重要と考えられた.95%信頼区間を超えて感染割合の高い都道府県においては観光や 夜の繁華街など人口密集の要因以外が関与している可能性があり,地域別の詳細な解析が今後の感染対策に有用と考えら れた. 緒言 2020 年 6 月の現在,COVID ─ 19 感染は日本では終息の 方向に向かっているものの,世界的な拡大をみせている. COVID ─ 19 は人から人へ感染することが知られており, 感 染者の咳,くしゃみや会話などで生じる飛沫感染が最も重 要な原因として考えられている. 1,2 我が国では「密閉」 , 「密 集」 , 「密接」 のいわゆる 3 密を避けることが感染予防に重要 とされている. 3 このうち密集,密接はその地域の人口密度 やライフスタイルに関連しているものと考えられる.中国 の武漢地区においても人口密度が感染率と相関するデータ が示されている 4 ものの,本邦における詳細な解析はみら れない. そこで,密集,密接に関与すると考えられる人口集中度, 人口密度,公共交通機関による通勤・通学率,乗用車の保 有台数の因子と感染割合,特に感染経路不明の感染割合と の相関について解析した.都会では公共交通機関による通 文献情報 キーワード: COVID-19感染症, 人口集中度, 人口密度, 公共交通機関による通勤・通学率, 乗用車の保有台数 投稿履歴: 受付 令和2年6月23日 修正 令和2年6月26日 採択 令和2年6月29日 論文別刷請求先: 調 憲
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Shirabe, K., Harimoto, N., & Koyama, H. (2020). The Correlations between Prefectural Proportions of Infected Persons with COVID-19 and Population-related Factors in Japan. The Kitakanto Medical Journal, 70(3), 235–242. https://doi.org/10.2974/kmj.70.235
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