Abstract
年の初期に始まった。この時期はマテリアルサイエンスの研 究にも TEM が初めて導入された時期で,混入した不純物の 分子を直接観察に成功したことはこの分野における大きな貢 献であった。Steinemmann と Hintermann は電解銅の中のゼ ラチン分子の,Weil と Cook は電解ニッケル膜に入ったク マリン分子の直接観察に初めて成功した。Albert ら は,銅 めっき膜に存在する o-フェナンスロリン分子の像の焦点をず らして撮り,添加剤の像は位相コントラストから由来するこ とを光学顕微鏡を使って証明した。その後,彼らの位相コン トラスト法は,中性子照射によって金属内にできるボイドの 観察にも応用され,そのコントラストの理論的な開発 も同 時になされた。焦点ずれを使った位相コントラストの実験と 理論についての詳細については著者の解説 を参照されたい。 この研究より,分子状態で混入した~ 1 nm オーダーサイ ズの添加剤,ボイド,ガスバブルを TEM を使って観察する には,焦点をずらして,過焦点か,不足焦点の条件で像を撮 らなければならないということがわかった。つまり,このよ うな位相コントラストのみで観察できる物体 (ここで位相体 と呼ぶ) は普通,正焦点では見えない。位相コントラストの 起こる原因は,次のように説明できる。TEM 内では,初め 入射電子線がめっき金属内に平面波として入射する。しかし この平面波は位相物体を通過する時,その平均内部ポテン シャルが金属マトリックスより低いため,平面波の位相は局 部的に進む。この位相差を持った電子波を,焦点をずらした 面で干渉させると,位相体の周りにフレネル縞を作る。こう してできたフレネル干渉縞が位相体のコントラスト像となる のである。 図 1 は,コンピュータ シミュレーションで得られた球状 ボイドの位相コントラスト像である。この例では,銅内にあ る半径 1 nm ボイドを仮定し, (a) 過焦点 (Δf =+ 3 μm) と (b) 不足焦点 (Δf =-3 μm) の条件で,像をシミュレーションし めっき被膜への不純物共析 中 原 昌 平 a a リムリック大学 物性表面科学研究所ならびに物理学科 (リムリック,アイルランド)
Cite
CITATION STYLE
NAKAHARA, S. (2012). Incorporation of Impurities in Deposited Films. Journal of The Surface Finishing Society of Japan, 63(4), 200. https://doi.org/10.4139/sfj.63.200
Register to see more suggestions
Mendeley helps you to discover research relevant for your work.