Abstract
Organic and inorganic photovoltaic cells can be classified as excitonic solar cells and pn-junction solar cells, respectively. In this article, a fundamental difference in the operational mechanism between them is explained. The detailed balance limit of power conversion efficiency (PCE) was already established for pn-junction solar cells by Shockley and Queisser. Recent attempts to obtain theoretical limits of PCE for excitonic solar cells are reviewed. 1.は じ め に 有機系の太陽電池は,有機物質に特有の軽く,曲げや すく,資源が豊富であるという長所を持つ。従来の太陽 電池では困難であった,曲面への適用や,軽さを活かし た用途等,広範な利用の可能性を持つ次世代の太陽電池 として注目されている。近年,エネルギー変換効率も著 しく向上し,2011 年以降,三菱化学や住友化学等が, 単一素子およびタンデム素子により 10% を超える効率 を上げている 1) 。発電の安定性や有機材料の寿命等,克 服すべき課題もあるが,変換効率はアモルファスシリコ ン太陽電池に匹敵している。本解説では,有機薄膜太陽 電池の変換効率はどこまで向上できるのかという原理的 な問題に焦点を絞ることにする。従来の無機系太陽電池 に対して導かれた理論限界を有機系太陽電池にそのまま 適用するのには,有機系と無機系太陽電池の光電変換の 機構の違いが考慮されていないという問題点がある。有 機系太陽電池の光電変換の機構について解説し,有機系 太陽電池に対する光電変換の理論限界を求める最近の試 みについて紹介する。 太陽光のエネルギー変換効率(光電変換効率)は,電 流密度(単位時間,単位面積を流れる電荷量)と電圧の 積である単位面積当たりの電力を,単位時間,単位面積 当たり入射する太陽光のエネルギーで割った値で特徴付 けられる。光電変換効率と同様に,太陽電池の効率を表 すのに良く使われている指標に,内部量子収率(Inter-nal quantum efficiency, IQE)および外部量子収率(Exter-nal quantum efficiency, EQE)がある。どちらの量子収率 も分子は電流密度で同じであるが分母が異なっている。 IQE では,単位時間に素子に吸収された単位面積当たり の光の量(光子の流れの密度)であるのに対して,EQE では単位時間,単位面積に素子に照射された(透過光, 散乱光も含めた)光の量である。これらの量が高くて も,電圧の損失があると,電流と電圧の積である電力は 低くなってしまう。エネルギーの変換効率を上げるため には,量子収率を上げる一方,電圧の損失を抑える必要 がある。 現在主流の太陽電池は無機系の半導体が用いられてお り,GaAs の薄膜結晶の光電変換効率は,米国国立再生 可能エネルギー研究所による各種太陽電池素子のチャー トによると 28.8% であり後述する理論値である約 33% に,非常に近づいている 1-3) 。 本題の有機系太陽電池の変換効率について述べる前 に,次章では入射する太陽光の性質についてまとめるこ
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SEKI, K. (2014). Theoretical Limits of Power Conversion Efficiency for Organic Photovoltaic Cells. Hyomen Kagaku, 35(11), 595–602. https://doi.org/10.1380/jsssj.35.595
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