Evaluation of Social Factors and Geographic Factors that Affect the Distribution of Cultivation Abandonment Land

  • NAKAE T
  • MORITA H
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Abstract

Ⅰ 背景と目的 耕地は食糧生産の他に水資源の涵養や土壌侵食防止等 の多面的機能を有しており,異常気象による自然災害の 軽減という点で重要性が増加している。一方で耕作放棄 地が増加し鳥獣被害,病害虫の発生,景観の悪化等の新 たな問題を引き起こしている。耕作放棄されることで耕 地が持つ機能が低下し,災害時の危険性が増加する。さ らに過疎化や高齢化により十分な対策が行われず放置さ れ森林化・原野化して再生不可能となっている耕作放棄 地も多く 1) ,この様な土地は放棄後に粗大ごみの不法投 棄場所や野生動物の行動圏となり,耕作放棄地拡大の一 因となる場合がある。 岡山県でも耕作放棄地は増加傾向にある。 2010 年農林 業センサスによると平成 21 年度の県全体の農地面積が 約 6 万 9 千 ha であるのに対し,耕作放棄地面積は約 1 万 1 千 ha であり耕作放棄地率は約 16%となっている。 平坦で圃場条件に恵まれている南部や北部では耕作放棄 地率が 15%未満であるのに対し,圃場整備が遅れている 西部では 50%を超える地域も存在しており,耕作放棄地 の分布に県内で偏りが見られる 2) 。 一般的に耕作放棄地の発生要因は高齢化や担い手不足, 農作物の価格変動, 作物の収益低迷等である。 しかし佐々 木ら(2007) 3) によると耕作放棄地の発生要因は地域によ り異なることが示されており一概に同じであるとは言え ない。松川(2013) 4) によると奈良県における耕作放棄地 の分布規定要因は立地条件と傾斜および兼業農家率であ り,高齢化の影響はみられない。愛媛県松山市の石手川 の上・中流域では傾斜面方向と交通の便が耕作放棄地の 発生要因となっていることを坂口(2012) 5) が明らかにし ている。岡山県で見られる耕作放棄地の分布の偏りも県 内の各地域における社会的・地理的要因が影響している と考える。 岡山県内の各地域の社会的・地理的要因が耕作放棄地 の発生に影響を与えているとすると,岡山県全域を対象 とした調査・分析では地域における耕作放棄地の発生要 因を正しく把握できない可能性がある。県全域ではなく 限定した地域を調査対象とすることで,耕作放棄地の分 布に影響を与える要因をより詳しく把握することができ ると考える。そこで本研究では岡山県児島湖流域を調査 対象地域として耕作放棄地の分布および放棄後の状態に 影響を与える要因の把握を行った。流域には地形や治 水・利水,生活,物質循環等の要素が集約される。対象 地域を行政単位とした場合,地域類型等の分布に偏りが 発生し耕作放棄地との関係を捉えることが困難となる可 能性があるため流域単位で分析を行った。 Ⅱ 研究方法 空中写真と農業集落カードを用いて耕作放棄地の分布 に影響を与える要因の分析を行った。個々の農地につい てミクロな分析が可能である空中写真と,流域全体を対 象としたマクロな分析が可能である農業集落カードを用 いて二通りの分析を行うことで,耕作放棄地の分布に影 響を与える要因についてより詳細な分析を行うことがで きると期待する。 耕作放棄地,耕地,農業集落についてポリゴンを作成 し,標高や耕地面積,地域類型等の地理的要因と高齢化 率や人口といった社会的要因を属性としてポリゴンに付 加することで回帰モデルでのデータの取り扱いが可能と な る 。 ポ リ ゴ ン の 作 成 や そ の 他 地 理 情 報 の 編 集 に は ArcGIS10.2 を使用し,分析には R Version3.2.1 を用い た。 耕作放棄地は「以前耕地であったもので,過去 1 年以 上作物を栽培せず,しかもこの数年間に再び耕作する考 えのない土地」と農林業センサスで定義される統計上の 255

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NAKAE, T., & MORITA, H. (2015). Evaluation of Social Factors and Geographic Factors that Affect the Distribution of Cultivation Abandonment Land. JOURNAL OF RURAL PLANNING ASSOCIATION, 34(Special_Issue), 255–260. https://doi.org/10.2750/arp.34.255

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