Abstract
要 旨 近年山間部の地すべり斜面を対象とした降雨浸透水による地下水面の変動産業廃棄物層内への 降雨浸透水の挙動、 地下水涵養試験時の涵養水の浸透、 沿岸部での潮汐に伴う塩淡境界面の変動など 様々な分野において電気探査法により地下水の流動状況をモニタリングする適用事例が増えている。 しかし従来の電気探査装置では未固結地盤中など流速の大きい地下水の挙動を 3 次元に展開した測 線において数分程度の時間で測定することは困難であった。今回開発した電気探査装置は、最大 240 点の電位データを同時に受信することができ アナログ系でのフーリエ変換処理により電位を計測し、 高周波数(最大 5kHz)の正弦波を送信する。例えば、120 測点に対する二極法による全ての組み合わせ のデータ(120×119=14280 通り)を約 5 分間で測定することが可能である。本装置の性能を確認する ため当所構内にある陥没空洞箇所に塩水を注入中の比抵抗変化を連続的に測定した。陥没箇所を中 心に 60 点の電極を 1m 間隔で配置した 2 測線を展開した。本空洞はローム層(下総層群常総粘土層に 相当)内に掘削された旧防空壕が崩落したものと推測されている。 測定は塩水を注入する直前より開始 し約 2 分半間隔で繰り替えし測定を行い塩水の注入が完了した 20 分後に測定を終了した。塩化 カルシウム溶液 (比抵抗 1.4Ωm)を 110 分かけて 1000ℓを注水した。全測定回数は 51 回で1 回当た りの観測データ数は 3540 通りである。全計測データ(51 回分)に対しインバージョンにより比抵抗断 面を求め 塩水注入前の比抵抗断面を基準値とした各測定時の比抵抗変化率断面を求めた。 その結果 塩水が埋没空洞部に徐々に浸透していく状況を連続的に変化する比抵抗断面として可視化することが できた。本装置は流速の大きい地下水挙動の 3 次元的なモニタリングに十分貢献できると考えられ る。 キーワード:電気探査・比抵抗・地下水・塩水・未固結地盤 1.はじめに 近年,地下水挙動をモニタリングする一つの手法とし て,電気探査法による連続観測が様々な機関で試みられ ている。例えば,地すべり斜面を対象とした降雨浸透水 による地下水面変動(Suzuki and Higashi,2001),産業 廃棄物層内への降雨浸透水の挙動(香村ほか,2005),地 下水涵養試験時の涵養水の浸透挙動(井上ほか,2007), 沿岸部での塩淡境界の移動(石飛ほか,2007),地盤改良 における注入溶液の浸透範囲など,様々な分野において 実施されている。特に,探査装置の高速性が要求される のは,動水勾配の比較的大きい山間部斜面や未固結地盤 への降雨の浸透に伴う地下水面の変動など,比較的流速 の大きいと考えられる地下水の流動を対象とした場合で ある。 平面的に測点を展開した 3 次元探査では複数の測線を 設置するため,極力多チャンネルを有する探査装置が必 要である。様々な機関で PC 制御による自動計測化が図 られた探査装置が開発されているが(例えば,吉村ほか, 1993;鈴木,1997, 2006;神宮寺,2006), 「計測時間の 515 2007 年 9 月 6 日原稿受付; 2007 年 11 月 30 日受理
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Suzuki, K., Shiogama, Y., Kuno, H., & Azuma, Y. (2007). Development of ultra-fast data acquisition system for electrical resistivity surveys. BUTSURI-TANSA(Geophysical Exploration), 60(6), 515–526. https://doi.org/10.3124/segj.60.515
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