Abstract
ボウルビーの主要な関心は,元来,人間におけるアタッチメントの生涯にわたる発達(すなわち連続性と変化)と,情緒的に剥奪された子どもとその養育者に対する臨床的な介入にあった。近年,幼少期における子どもと養育者のアタッチメント関係が,子どもの,アタッチメントの質それ自体を含めた,その後の社会情緒的発達にいかなる影響を及ぼすかということについて,実証的な知見が蓄積されてきている。本稿では,まず,児童期以降におけるアタッチメントとその影響に関する実証研究と,乳児期から成人期にかけてのアタッチメントの個人差の安定性と変化に関するいくつかの縦断研究の結果について,概観を行う。次に,アタッチメント理論の臨床的含意について,特に,無秩序・無方向型アタッチメントとアタッチメント障害,そして,そうした難しい問題を抱えた事例に対するアタッチメントに基づく介入に焦点を当てながら,レビューし,また議論を行う。最後に,日本の子どもと養育者のアタッチメント関係の特異性をめぐる論争とそれが現代アタッチメント理論に対して持つ理論的含意について批判的に考察し,さらに日本におけるアタッチメント研究の現況が抱えるいくつかの課題を指摘する。
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ENDO, T. (2010). Current Trends in Attachment Theory: A Review from Life-Span Developmental and Clinical Perspectives. The Annual Report of Educational Psychology in Japan, 49, 150–161. https://doi.org/10.5926/arepj.49.150
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