Prediction of Future Burden of Diseases in Japan

Abstract

保健医療政策の施策に資するデータを提供することを目的に、わが国の官庁統計データを用いて回帰モデルにより傷病別の患者数および死亡数の将来推計を試みた。年齢別推計総死亡数は、2010年は116万人、2020年は134万人、2030年は142万人と増加し、85歳以上の死亡割合はそれぞれ38%、51%、59%と顕著な増加を示した。傷病別の死亡数は2005年と同様、新生物、循環器疾患、呼吸器疾患の順で、新生物、呼吸器が男女とも大幅な増加を示したが、循環器疾患は心疾患が増加するものの脳血管疾患が減少するためにほぼ横ばいの結果となった。国民生活基礎調査の通院率より推計した傷病別患者数はいずれも患者調査に基づく推計値を大幅に上回ったが、糖尿病、認知症、高血圧、脳血管疾患が2〜3倍であるのに対し、通院率を用いた推計では増加傾向を示した狭心症・心筋梗塞は4倍〜10倍以上にまで、その差が広がった。