Abstract
1.緒 言 我が国の天然鉱物資源は枯渇の危機に瀕している。しかし,現 在の日本の産業においてレアメタルは欠くことのできない資源で あり,世界経済の拡大に伴い需要は増加の一途を辿っている 1) 。 特に白金族元素は,高い電子伝導性や抗酸化性を有することから 電子回路の接点材料や自動車用触媒等,その用途は多岐に渡って いる 2) 。白金族元素の中でも特に Pd は,高密度実装技術の向上 により,電気・電子分野での利用が増加しており,今後も堅調に 推移することが推測される 3) 。しかし,我が国は Pd の殆どを輸 入に依存しなければならないのが現状である。このような他国か らの輸入に依存している状態は,大きなリスクを孕んでいる。産 出国は世界に偏在しており,さらにそれらは発展途上国が多いこ とから,世界情勢の変動に伴い供給状況は大きく影響される。ま た,レアメタルの価格高騰という問題点も存在する。価格高騰の 背景には,新興諸国での確実な需要の増加の見込みから,資源メ ジャーが独占の強化を行っているという極めて現代的な要素が挙 げられる 4) 。これらのことから,我が国で安定的な資源供給構 造を構築することは急務である。現在,新たな資源供給源とし て,都市から排出される使用済み電子機器等に含まれる有用金属 を鉱山に見立てた「都市鉱山」が注目されている 5) 。この都市 鉱山を有効に利用することで,必要なレアメタルを国内で賄うこ とができ,輸入依存のリスクを回避することが可能である。しか し現状は,都市鉱山からの有用資源のリサイクルが有効に機能し ているという実感にはほど遠い。それは都市鉱山からのリサイク ルにおいて,複数の課題が山積しているからである。最も懸念さ れる課題として,実効性のある回収プロセスが確立されていない ことが挙げられる。このような観点から,レアメタルの回収プロ セスの構築は,我が国が解決すべき最重要課題の一つと考えられ る。現在,都市鉱山からの Pd の分離・回収には,dihexylsulfide (DHS) を抽出剤に用いた溶媒抽出法が主流である。都市鉱山から の Pd の分離・回収では,化学的に性質が類似している Pt との相 互分離能を有する抽出剤の選定が重要となる 6) 。DHS はそれを 満たす抽出剤であるが,抽出速度が遅く処理量が制約される等の 問題点を有している 7) 。今後,都市鉱山から効率的に Pd を分離・ 回収するためには, 抽出速度に優れる新規の抽出剤が求められる。 M. Mojski らの報告によれば,triphenylphosphine (TPP) は Pd に対 し高い選択性を示す 8) 。そこで,筆者らは DHS の代替溶媒抽出 (芝浦工業大学・松本) キーワード: Pd(II),レアメタル,都市鉱山,溶媒抽出 Palladium will be most increased demand in rare metals because the use of electrical and electronic fields in the future. Therefore, it is nesessary to construct the stable supply of resource in our country. Currently, the separation and recovery of palladium from urban mines have trying to carry out the solvent extraction method using the dihexylsulfide (
Cite
CITATION STYLE
MATSUMOTO, Y., SUZUKI, A., CHIBA, Y., & ARAI, T. (2015). A Propose of the High Efficiency Extraction Process for Rare Metals from Urban Mineusing Triphenylphosphine Extractant. Journal of MMIJ, 131(8_9), 481–486. https://doi.org/10.2473/journalofmmij.131.481
Register to see more suggestions
Mendeley helps you to discover research relevant for your work.