Abstract
クリティカルケア看護とは何か.その定義につい て,井上氏は日本クリティカルケア看護学会誌創刊号 に次のように述べている.それは, 「あらゆる治療・ 療養の場,あらゆる病期・病態にある人々に生じた, 急激な生命の危機状態に対して,専門性の高い看護ケ アを提供することで,生命と生活の質(QOL)の向 上をめざす看護」 ) である.また米国クリティカルケ ア看護師協会(AACN;American Association of Critical Nurse)は,クリティカルケア看護について, 「Acute and critical care nursing as the specialty that manages human responses to actual or potential life-threatening problems; 潜 在的かつ顕在的な生命を脅かす健康問題に対する人間 の反応について取り扱う看護の専門分野である」 ) と 定義している.これらの定義を踏まえて,クリティカ ルケア看護に関わる者は,急性・重症患者の回復を支 えたり,促したり,高めていく使命がある. クリティカルケア看護の対象は,非日常的な治療環 境で身体の延長線上に生命維持装置を付けて,過酷な 体験を強いられつつ,苦痛・苦悩を抱きながらも今を 懸命に生きる患者,および混乱,不安,悲しみの最中 にある家族である.また,クリティカルケア看護に関 わっている者は,患者の病態の重篤化防止や合併症の 予防,身体機能の安定を図りつつ最大限の人間らしさ と尊厳を保ちながら,日々の看護実践を重ねている.さ らにその人の健康の回復と生活へ適応を目指して,濃 厚なアセスメントに加え,多職種と共に,高度で専門 的な看護実践に取り組むことをミッションとしている ) . 本稿では,第 回日本クリティカルケア看護学会 学術集会において講演した内容の中で,.急性・重 症患者の回復を促す看護実践モデル構築に向けた取り 組みの背景, .Synergy Model & Professional Nursing Practice Model Professional Nursing Practice Model,.ク リティカルケア領域における回復に関する先行研究, .モデル構築のための要素とアプローチ法, .今後 に向けての課題の点について報告する. 1 これまでの日々の教育実践における「実践への問 い」として,急性・重症患者の回復を支える,回復を 促す,回復を高めるための看護実践とは何という素 朴な疑問を持ち続けていた.その一つのきっかけと なった出来事は, 年ほど前の熱傷患者との出逢い である.急性期看護学実習において,看護学生と一緒 に,重度熱傷患者を受け持った時の出来事である.そ の患者は,熱傷の度合いと範囲から「回復は厳しいか も……」と容態が危惧される中,その患者の生命力,
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Nakamura, M. (2017). Challenge of Creating a Nursing Practice Model for the Recovery Critically Ill Patients. Journal of Japan Academy of Critical Care Nursing, 13(1), 1–10. https://doi.org/10.11153/jaccn.13.1_1
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