Astaxanthin for Complementary and Alternative Medicine

  • ITAKURA H
  • TAKAHASHI J
  • KITAMURA A
N/ACitations
Citations of this article
14Readers
Mendeley users who have this article in their library.

Abstract

1 茨城キリスト教大学 2 富士化学工業株式会社ライフサイエンス事業部 【要 旨】 アスタキサンチンは,広く天然に存在する赤色のカロ テノイドの一種であり,一重項酸素消去および抗脂質 過酸化活性などの優れた抗酸化作用を有する.近年さ まざまな生理活性が報告されるようになり,健康食品 および化粧品素材として普及しつつ,予防医学の領域 においても注目されている.本稿では,アスタキサン チンの由来,他のカロテノイドとの比較,化学的特長 に触れつつ,抗脂質過酸化活性,抗炎症,血流改善, メタボリックシンドローム改善,眼精疲労改善,ピロ リ菌抑制,脂質代謝改善,筋肉疲労改善,美肌効果, 男性不妊症改善などの機能性,さらに体内動態および 安全性についての細胞,動物試験,および臨床試験な どの結果を取り上げ,補完代替医療素材としての可能 性を紹介する. 【キーワード】 アスタキサンチン,カロテノイド,一重項酸素,脂質 過酸化, 抗炎症, 体内動態, 安全性, 補完代替医療用素材 1. はじめに アスタキサンチン(以下,本文中 AX と略)は,海洋 性細菌,ある種の酵母,藻類などによって産生され,こ れらが食物連鎖を通じて他の動物に取り込まれて,天然 界に広く浸透して存在している.とりわけ魚介類などの 海洋性生物には比較的容易に見出され,これらを彩る原 色のひとつである赤色色素の本体成分が AX である例は 少なくなく, 「海のカロチン」とも呼ばれている. われわれにとって馴染みのあるカロテノイドといえ ば,野菜に含まれるβ-カロテンやルテインなどであり, ヒトの生理機能維持にも不可欠な栄養素として知られて いる.これらのカロテノイドは,植物界では普遍的に生 合成され,葉緑体中に存在し,光合成の補助色素として 機能している.AX の化学構造もβ-カロテンやルテイン のそれと極めて類似しており(図 1) ,一部の光合成生物 において AX が高濃度に蓄積することが知られている が 1,2) ,その理由は,β-カロテンやルテインが光合成に寄 与する目的で存在することとは明らかに異なる. 微細緑藻類のヘマトコッカス藻も AX を高効率に産生 することで知られているが,良好な環境条件で光合成を 行いながら活発に分裂増殖している際には,AX 合成能 はほとんど活性化されておらず,細胞内にはごく僅かな AX が見られるだけである.ところが強光によるストレ スや栄養条件の悪化などにより環境が生育に適さなくな 受理日:2008 年 9 月 10 日

Cite

CITATION STYLE

APA

ITAKURA, H., TAKAHASHI, J., & KITAMURA, A. (2008). Astaxanthin for Complementary and Alternative Medicine. Japanese Journal of Complementary and Alternative Medicine, 5(3), 173–182. https://doi.org/10.1625/jcam.5.173

Register to see more suggestions

Mendeley helps you to discover research relevant for your work.

Already have an account?

Save time finding and organizing research with Mendeley

Sign up for free