Abstract
Ⅰ.はじめに 最初の心室内刺激伝導系ペーシングである His 束 ペーシングは 2000 年に報告されたが,当時は His 束ペーシング専用のガイディングシースやペーシン グリードは開発されておらず,その手技が普及する ことはなかった 1) .その後,シースとリードが右室 中隔や His 束ペーシング用に改良され,C304 シー ス (可変シース) や C315His シース,SelectSecure TM 3830 リード (いずれもメドトロニック社製) が開発 さ れ (図 1) ,2015 年 頃 よ り Vijaraman ら の グ ル ー プを中心に His 束ペーシングの良好な成績が報告さ れた 2) .2018 年,無作為試験ではないものの,His 束ペーシングが右室ペーシングと比較して,心不全 と死亡の複合からなるアウトカムを改善することが 報告された 3) .同年の ACC/AHA/HRS ガイドライ ンでは, 「左室駆出率 (EF) が 36~50%の房室ブロッ クで,40%以上のペーシング実施率が見込まれる症 総 説 左脚ペーシング:手技の実際と短期効果 劔 卓夫 * 奥村 謙 大西史峻 金子祥三 根岸耕大 林 克英 岡松秀治 田中靖章 坂本知浩 古山准二郎 左脚ペーシング (LBBP) は,His 束下流の刺激伝導系を直接捕捉しようとする新 しい心室ペーシング法である.LBBP は His 束ペーシングより成功率が高く,心機 能や QRS 幅は His 束ペーシングとほぼ同等で,閾値上昇を認めないことが報告さ れている.われわれは房室ブロック 30 例に対して LBBP を試みたが,全例で左脚 エリア心室中隔心筋内へのリード留置に成功した.心室ペーシング後の QRS 幅は 128 ± 15 ms(平均値±標準偏差) ,ペーシング閾値は 0.6 ± 0.2 V/0.4 ms,心 室波高値は 11.0 ± 7.2 mV で,刺激電極に 7 例 (23%) で左脚電位が認められた. 合併症は認められず,平均観察期間 6 ± 3 ヵ月においてリード脱落,リード位置 変更,0.5 V 以上の閾値上昇はなかった.LBBP はペーシング誘発心筋症の予防の みならず,左脚ブロックを有する両室ペーシング適応症例に対する心機能改善効果 も検討されており,今後さらに普及することが期待される.
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Tsurugi, T., Okumura, K., Ohnishi, T., Kaneko, S., Negishi, K., Hayashi, K., … Koyama, J. (2021). Left Bundle Branch Pacing : Its Procedure and Electrocardiographic Effect. Japanese Journal of Electrocardiology, 41(3), 113–123. https://doi.org/10.5105/jse.41.113
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