Consciousness disturbance due to hypermagnesemia in two patients with chronic renal failure

Abstract

高マグネシウム(Mg)血症により意識障害を来した慢性腎不全の2例を経験した.症例1(77歳男性).患者は糖尿病性腎症による慢性腎不全で近医を通院中に,食欲不振と意識混濁が出現,尿毒症性脳症として紹介入院となった.入院時所見では,皮膚紅潮および乾燥,血清クレアチニン(Cr),尿素窒素(BUN),血清Mgの上昇を認め,さらに呼吸抑制による呼吸不全と心電図でQT延長を認めた.血液透析で症状は改善したが,翌日再度の血清Mg値上昇で2回目の血液透析を行い軽快した.症例2(78歳女性).患者は関節リウマチ,腎機能低下で加療中に,尿路感染による腎機能の増悪で全身倦怠感,見当識障害が出現,尿毒症性脳症疑いで紹介入院となった.血清Cr,BUN,血清Mgの上昇を認め,血液透析で見当識障害が改善し,Mg値低下とともに倦怠感も消失した.2症例とも前医によりMg製剤が処方されており,軟下剤の連用と感染による腎不全の増悪が重篤な高Mg血症の原因と考えられた