Trends and Issues in the Field of Clinical Psychology in Japan

Abstract

This article reviews the latest research trends and challenges in the field of clinical psychology in Japan. First, 39 poster presentations and 16 symposiums that were conducted at The 60th Annual Meeting of the Japanese Association of Educational Psychology are reviewed. Then, the trends and issues are discussed from 77 research papers that were published in The Japanese Journal of Educational Psychology along with other related academic journals between July 2017 to June 2018. Based on these discussions, recent research trends in clinical psychology in Japan are summarized from the viewpoints of research themes, the subjects of the research, and research methodologies. Finally, future research challenges are discussed. Key Words: clinical psychology, psychological problems, psychological interventions, subjects of the research, research methodology 本論考は，日本における臨床心理学の最新の研究動向と課題を概観するものである。まず，日本教育 心理学会第 ₆₀ 回総会において発表された研究（ポスター発表 ₃₉ 件）とシンポジウム（₁₆ 件）を概観し，次 に，₂₀₁₇ 年 ₇ 月から ₂₀₁₈ 年 ₆ 月の間に， 『教育心理学研究』や関連する学術雑誌に掲載された ₇₇ 本の 論文を対象に，臨床心理学分野における最新の研究動向について概観し，研究テーマ，研究対象，研究 方法の観点から整理した。最後に，臨床心理学研究における課題と今後の可能性について議論した。 キーワード：臨床心理学，臨床心理学的問題，臨床心理学的援助，研究対象，研究方法 理解するための方法論を確立し，臨床心理学的問題や 人の適応のあり方について探求し，それらの成果にも とづいて行われた臨床心理学的援助を検証し，さらに， 援助を取り巻く多様な要因について検討していくとい う一連の研究活動は，実践活動と表裏一体で行われる ものである。臨床心理学は，科学的に裏付けられた研 究成果にもとづき実践を組み立て，その実践活動をま た科学的に検証していくという循環的な営みを通して， その専門性を発展させていると言えるだろう。本論考 は，この実践と研究の循環的営みが，近年どのように 行われているのかを明らかにしようとするものである。 レビューを行うにあたり，まず，本論考で取り扱う 臨床心理学研究の選択基準を示した。その後，日本教