Abstract
1 .はじめに スマートフォンやタブレットの普及により,インターネッ トを経由しクラウドにアクセスするデバイスは,ここ数年で 急増した。今後はそのような携帯機器に限らず,様々な機器 がネットワークに接続されクラウド上で連携する。そのため, Qualcomm の予測では行き交うデータトラフィックは近い将 来,現在の 1000 倍になると言われている 。そのような世 界の実現のためには,基幹部品である半導体部品のさらなる 高機能化,小型化が必要不可欠である。しかしながら, Moore の法則に従う半導体回路の微細化は限界に近付いてお り,More than Moore と呼ばれる回路の微細化のみに頼らな い方法での高機能化,小型化が求められている。そこで複数 の IC チップを 3 次元的に積層する 3D 実装や,高密度サブ ストレート基板 (インターポーザ) 上に IC チップを水平に複 数並べる 2.5D 実装は,スケーリングを保ちつつ,高密度化, 高性能化,低コスト化を達成できる現実的な方法として,今 後主流となることが予想される。またさらにはデジタル回路 に加え,センサ,パワー素子,受動部品等のこれまでボード 上に存在した機能を,大面積のインターポーザ上に搭載し, システムレベルでの小型化,最適化を図るシステムスケーリ ングも唱えられている 。 そのような More than Moore 時代のインターポーザは,ま すます進むバンプの狭ピッチ化,配線の微細化に対応する必 要がある。その将来のインターポーザとして,樹脂系やシリ コン系の基板での開発が進められているが,それぞれ微細化 及びコストに課題を抱えている。 そこで近年, 新たなインター ポーザ材料としてガラスが提案されており,世界中で研究開 発が進められている。特に 2010 年より米国ジョージア工科 大学 3D Systems Packaging Research Center (以下 GT-PRC) に て開催されているガラスインターポーザのコンソーシアムは, 現在では 30 社以上の企業が参加し,ガラスインターポーザ 開発の一大拠点となっている。 そこで本稿では,GT-PRC,及び弊社 (以下 AGC) での開発 の成果を中心に,ガラスインターポーザ開発の現状,課題, 展望を解説する。 2 .インターポーザ材料としてのガラスの優位性と課題 これまで半導体パッケージ基板は,主にガラスエポキシ基 材を使用したコア基板の上下に配線層をビルドアップした樹 脂基板が多く使用されてきた。樹脂基板は,樹脂材料の改良, また内包するガラスクロス及びフィラーの量を増加させるこ とにより,低熱膨張率化,高 Tg 化を実現し,配線及びバン プピッチの微細化に対応してきた。 さらに最近では, 樹脂パッ ケージ基板の最表面の数層に,微細配線層を形成した 2.1D と呼ばれる構造の有機樹脂基板の開発が進んでいる。しかし ながら,材料に起因する形状安定性の限界と基板の反りの懸 念があり,特殊材料の開発によって高密度配線の形成を実現 しようとしている。 一方,高密度配線の要求を受け,2011 年に発表された Xilinx の Virtex-7 LX2000T(FPGA チップ 4 枚をシリコンイ ンターポーザ上に水平に配置) を皮切りに,近年,シリコン 基板を用いたインターポーザが開発され,ハイエンド用途で 使用され始めている 。BEOL 技術をベースにした微細配線 形成,高い弾性率による低反り,IC チップに完全マッチン グした熱膨張率,優れた放熱性等,シリコンインターポーザ はこれまで樹脂基板が抱えていた課題を解決し,次世代のイ ンターポーザになり得る。しかしながら,シリコンインター ポーザは樹脂基板に比べ材料,及びプロセスコストが高価で ある上,300 mm ウェハでの生産となるため,大きなサイズ のインターポーザでは取り数が悪化する。結果,製造コスト が下がらず,現在その使用はハイエンド用途のみに限定され ている。またシリコンは半導体であるため,TSV(Through-Silicon-Via) を含む伝送線路の損失が大きく,高周波用途には 向かないという欠点もある。 一方,ガラスはディスプレイ用途で利用されているように, 大パネルサイズでの生産が可能である。また近年のガラス成 形技術の進化により,100 μm 以下の超薄板基板が利用でき, シリコンインターポーザのように研磨による薄化の必要がな い。一方で,その形状安定性によりシリコンインターポーザ ガラスインターポーザの研究開発動向 佐 藤 陽一郎
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SATO, Y. (2015). Recent Trend of Glass Interposer Development. Journal of the Surface Finishing Society of Japan, 66(2), 33–37. https://doi.org/10.4139/sfj.66.33
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