Abstract
本研究では,ウェブログを対象として,そこで,「性格」という概念がどのような場合にどのように用いられているかを明らかにすることで,人にとって性格に言及することにどのような意味があるのかを明らかにすることを目的とした。合計24時間の間にアップされた714のウェブログから「性格」という言葉の用例を収集し,ボトムアップに分類した。その結果,他者の性格について言及したものは,17カテゴリ132個,自分の「性格」について言及したものは,26カテゴリ220個観察された。他者の性格については,先行研究において帰属の機能として指摘されていた解釈と予測という文脈に加えて,他者を一貫して,嫌なもの,または良いものとして主張するために,好きな–良い(または嫌な–悪い)性格といった感情的な評価の言及も認められた。他方,自己の性格については,統制不能なものとして理解され,他者にもそのように理解するように求める場合があることがうかがわれた。これらの結果から,パーソナリティ心理学ではあまり論じられていないが,一般の人の日常生活の会話においては重要な機能を果たす「性格」概念があることが明らかになった。
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Arakawa, A., & Harashima, M. (2010). Situations in Which the Concept of “Personality” is Used: Categorization of References to “Personality.” The Japanese Journal of Personality, 19(1), 1–14. https://doi.org/10.2132/personality.19.1
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