Abstract
比抵抗構造の解釈には,アーチーの式が使用されることが多い。アーチーの式は間隙水の比抵抗が 十分に低く,鉱物の表面に形成される電気二重層が関与する電気伝導(表面伝導)の影響が無視できる 範囲で検討されたものであることから,粘土鉱物が多く含まれる岩石の比抵抗は,一般にアーチーの 式から予想される比抵抗より低くなる。そのため,粘土鉱物の影響を考慮する並列回路モデルなど, アーチーの式を修正した実験式がいくつか提案されている。 本研究では,これまでの実験式をレビューし,粘土鉱物が岩石の比抵抗に及ぼす影響について考察 した。そして,粘土鉱物を含有させた人工試料の比抵抗測定の実験結果を見直し,それらの実験式の 有効性について検討した。その結果,粘土鉱物が岩石の比抵抗に及ぼす影響は粘土鉱物の種類と間隙 水の塩分濃度に大きく左右されることが確認された。また,間隙水の比抵抗や電気二重層内のイオン 移動度の温度依存性を扱った実験のレビューを行った。そして,粘土鉱物が岩石の比抵抗に及ぼす影 響の温度依存性を計測する室内実験を実施し,粘土鉱物を含有する人工試料の比抵抗の温度依存性は 間隙水のみのときよりも大きいことを確認した。粘土鉱物を含む岩石に実験式を適用する際には,間 隙水の比抵抗と粘土鉱物が形成する電気二重層が関与する過剰導電性とを比較して,それらの実験式 の有効性と限界を考える必要がある。
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Takakura, S. (2009). Influence of pore-water salinity and temperature on resistivity of clay-bearing rocks. BUTSURI-TANSA(Geophysical Exploration), 62(4), 385–396. https://doi.org/10.3124/segj.62.385
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