【重要性】現在、嗅覚の臨床評価は、患者の参加を必要とする主観的な方法に大きく依存している。脳波(EEG)測定による嗅覚測定の客観的方法は、脳磁図(MEG)の改善された嗅覚測定の時間分解能によって補完することができ、皮質および末梢の嗅覚損失を明確にすることができる。MEGは高い時間分解能と空間分解能を提供し、EEGのみを使用する場合に比べて、中枢嗅覚処理の理解を深めることができる。 【目的】臨床における嗅覚の評価のために、MEGを用いた電気生理学的神経画像法と組み合わせたポータブル嗅覚刺激装置を社内で構築することの実現可能性を明らかにすること。 【手法】この概念実証研究では、MEG-嗅覚計のペアパラダイムを利用して、健常被験者3人の嗅覚を評価した。2チャンネルの嗅覚刺激装置を用い、プログラムされた刺激-休息パラダイムに従って匂い物質を投与した。2%のフェネチルアルコール(バラ)と0.5%の酢酸アミル(バナナ)の2種類の合成臭物質が、時間を増加させながら投与され、その後休息時間が設けられた。皮質活動は306チャンネルのMEGシステムで測定した。 主な結果と測定法主要評価項目は、各周波数帯域の相対スペクトルパワーであり、安静時と嗅覚刺激時とで対比した。 【結果】安静時と比較して、嗅覚刺激では両側の嗅皮質で相対アルファパワーが40%増加した。フェネチルアルコール刺激では、左眼窩前頭皮質と前中心回で相対的アルファパワーが25%~30%増加したが、酢酸アミル刺激では増加しなかった。 【考察】この概念実証研究では、嗅覚計-MEGパラダイムによる嗅覚計測の実現可能性を示した。このパラダイムを用いて嗅覚に特異的な皮質シグネチャーを同定することができ、嗅覚喪失の予後予測ツールとしてこのシステムをさらに検討するための基礎ができた。
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Tarfa, R., Yu, S. E., Ahmed, O. H., Moore, J. A., Bruña, R., Velasquez, N., … Lee, S. E. (2023). Neuromapping olfactory stimulation using magnetoencephalography - visualizing smell, a proof-of-concept study. Frontiers in Allergy, 3. https://doi.org/10.3389/falgy.2022.1019265
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