Abstract
舌下免疫療法(SLIT)は発売から7年が経過しSLIT治療数は増加している.SLITの小児適用は日本のみで,ダニSLITが世界で初めて認可された治療先進国である.小児SLITは,成人と同スケジュールで行い,効果も安全性も成人と差がない.スギSLITは現在シダキュアとなり,抗原量増加で副反応が若干増えたが,効果も増強したと考える.重篤な副反応はまれで,著者の1,800例の自験例の中で,夜間の緊急連絡例は患児の弟が誤薬した1回のみであった.事後報告として喘息既往歴のある低年齢児が疲れた状態での服用により喘息発作を誘発した例がある.スギ花粉とダニの併用SLIT(Dual SLIT)の報告は世界でこれまでなかったが,筆者の自験例53例と多施設共同前向き109例の検討で安全な併用が確かめられ,当院では200例を超えるDual SLITを行っている.スギ花粉SLITでアレルゲン感作数と効果を検討し,単独感作と多重感作例で効果に差がなかった.自験例でスギ花粉SLIT終了後の10年間に効果持続した例があり,長期成績への大規模調査が期待される.SLIT課題もまだあり,当院では全国医療機関と共同研究を行い,ヒノキ花粉SLIT実現へのAMED研究も始まった.(著者抄録)
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湯田厚司. (2022). スギ花粉とダニの舌下免疫療法の最近の動向. Nippon Jibiinkoka Tokeibugeka Gakkai Kaiho(Tokyo), 125(7), 1071–1077. https://doi.org/10.3950/jibiinkotokeibu.125.7_1071
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